なろう小説は歴史ジャンルが面白い

今週のお題「読書の秋」

 

 誰でも投稿できる敷居の低さから玉石混合の様相を見せる所謂なろう小説ですが、執筆にある程度の知識が必要なことから歴史ジャンルの小説は比較的質が高い傾向があります。その中でも個人的にお気に入りの作品をご紹介します。

 

ncode.syosetu.com

幕末、二百数十年続いた幕府に陰りが見えた頃、喧嘩最強、勝小吉と幕末の剣聖、男谷精一郎。二人のおじに鍛えられた現代人の魂を持つ松坂新九郎。部屋住みの身から道場師範、そして独立して講武所教授となっていき、薬売りのトシ、志道勇吉ら、のちに名を残すことになる人々と友誼を結び生きて行く。
 幕臣の新九郎から見れば維新の志士は皆テロリスト。だって幕府に給料もらってるんだもん。
 そんな佐幕の男がたまに悩んだり、たまにもがいたりしながら、斬ったり殴ったり。史実通りに進む中でほんのちょっぴり歴史を変える。そんなお話です。

 

 旗本視点から幕末を描いた良作です。主人公は転生者ですがその設定が殆ど忘れ去られるくらいに普通に時代小説しています(笑)主人公が男らしく、強欲でやりたい放題なんですが、旗本として主家である徳川家への忠義を尽くすという芯がぶれないところが非常に好感を持てます。とうぜん幕末モノですので新撰組や勝海舟はじめ有名人が多数登場しますがそれぞれの解釈、キャラクターもユニークで楽しいです。

 未完のまま更新が半年止まっていますが、ストーリー的には戊辰戦争が集結し明治時代変に入ってひと段落していますので読んで損はない筈です。

 

ncode.syosetu.com

 人類が宇宙に進出してから数千年、零細運輸会社足利運輸の社長足利光輝は、元軍人で姉さん女房の今日子と弟の清輝、可愛げのないアンドロイド、キヨマロと共に、購入した宇宙船カナガワのローンを返済すべく奮闘していた。
 ところが、突然仕事中にカナガワごと異次元宙流に巻き込まれてしまう。
 飛ばされた先は過去の日本であったが、それは光輝達の知る歴史とは微妙に違っていた。
 誰よりも自分達が可愛い三人は、歴史が変わってしまう事も恐れずにこの世界で自由に生きていこうと決意するのであった。 

 

 八男ってそれはないでしょうで書籍化・コミック化されたY.Aさんの作品です。分かりやすく言えば戦国自衛隊ならぬ戦国恒星間宇宙船といったところでしょうか。作者の特徴である軽妙な語り口と分かりやすいストーリーで読みやすく楽しめる作品です。こちらは完結済みです。

 

ncode.syosetu.com

戦国時代、近江の国人領主家に男子が生まれた。名前は竹若丸。そして二歳で父を失う。その時から竹若丸の戦国サバイバルが始まった。竹若丸は生き残れるのか? 家を大きく出来るのか? 

 

 応仁の乱後の近江を舞台に転生者が天下統一を進めていくというストーリーですが、この時代の複雑な京や近江の情勢を巧みに物語に組み込んでいく手腕は見事です。各話毎に複数人視点での描写から構成されているため、最初は少し読み辛いですが慣れてくると多角的な視点から物語が浮かび上がってきて深く楽しむことができます。

 

 

ということで、お勧めの3作品を秋の夜長にぜひ読んでみてください。